PDF形式で提供されているテキスト文書や図表について、データ量の大きさの観点から、あるいはデータの利用を容易にするために、html形式あるいはcsvなどのデータ形式で提供すべきだという呼びかけが進んでいます。
北地方太平洋沖地震等に係る情報提供のデータ形式について
これは、アクセシビリティの観点からも大切なことは言うまでもありません。
しかしながら、図表の場合は、その*意味*を要約して伝える仕組みが必要だと思います。数値の羅列は図表にするからこそ見えてくるものがあるわけであり、元データを提供したらそれで良いと言うものではないと思います。
例えば、これは気象庁が海流を図にしたものですが、これの数値データを提供されても何がなんだか分かりません。ここで欲しいのは、福島原発から漏れ出た放射性物質を含む海水は、基本的にはやや南下したあとに、黒潮にのって太平洋と流れていくこと、などでしょぅ。あるいは、ここには原子炉の様子を示す様々なデータを図表にしたものが掲載されています。これは元データがあって、それを表にしたものですが、アクセシビリティという観点では、これを解説したものが欲しいと思います。
図表の解釈はそもそも難しく、人によって解釈が異なることもままありますし、容易でないのは理解しています。しかし、可能な範囲で傾向を伝えることが出来るようになる必要があると思います。例えば、「5号機の使用済み核燃料プールの温度は最小約30度と最高40度の間で、一日に何度かいったりきたりしている。」というような感じです。ここに、「よって安定している」というようなことまでは専門家でない限り書いてはいけないと思いますが、グラフの様子を伝えることに可能な範囲でトライするべきだと思うのです。
アクセシビリティの観点で言うとこの話は代替テキストの話になります。あるいは、図表であればサマリーに記述するべきことの話です。Flashなんかを利用してアニメーションさせているような場合には、音声解説の話になるのかもしれません。
これも今回学びつつある課題の一つですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿