関根さんには、いつも献本をしていただいている。なのに、一度もちゃんとしたお礼をしたことがなく、とても気にしている。お礼は、ちゃんとした感想を添えてと決めているのだが、読書感想文には泣かされた方なので、なかなか書けない。というような言い訳はこれくらいにして、書ける範囲で感想など書かせていただきます。
ユニバーサルデザインのちから / 関根千佳
前半は関根さんならではの、ストーリー仕立てでユニバーサルデザインを説明していくもの。後半は、ご自身の思いも添えて、さらに深く説明していく。前半の物語部分で登場するのは、新人社員の柚衣(ゆい)さん。柚衣さんは、会社や社会でのいろいろな出来ごとから、ユニバーサルデザインに気づき、考え、大切さを学んでいく。サブタイトルに「社会人のためのUD入門」とあるように、社会の中で何らかの活動をしている全ての人たちに、ユニバーサルデザインを知ってほしいと願って書いた本なんだと思う。とても易しく、一つ一つ事例を紹介しながら説明している。ところどころに挟んでいる解説もわかりやすい。きっと、読んだ人は誰でも、ユニバーサルデザインについて、新人さんのような気持ちで取り組んでみたくなるはずだ。
後半はユニバーサルデザインの入門書として、知っておくべき考え方、キーワード、人々とその活動、標準、法律などがまとめられている。私自身、知らないキーワードがいくつもあって、とても勉強になった。たぶん、何かの論文など書くときは再び参照させていただくと思います。(助かります。)
関根さんには、本の中で紹介されているSNSセンターや、それ以前の社内での同好会でずいぶんお世話になった。関根さんが会社を辞める少し前くらいから、ユニバーサルデザインについても何度か議論をした。「ユニバーサルデザインなんて不可能だ。」「アクセシビリティには役に立たない。」というような意見もその頃にはあって、「そんなことは無いよね」というような話で盛り上がったのを覚えている。もう、その頃には、関根さんのユニバーサルデザインに対する基礎は固まっていたんだと思う。
京都だったと思うけど、UDITという会社名を考えていると初めて聞いた時、すぐに "You, Do IT" なんだと思った。(ジャニーズみたい) この本を読んだ人にも、そう問いかけているような気がする。
0 件のコメント:
コメントを投稿