2010-02-06

アクセシブルな電子教材が世界を制す?

アクセシブルな電子教科書や教材を提供できるようになった出版社は、ワールドワイドに活躍する出版会社になるチャンスを持っていると思う。紙の世界の時は、翻訳して、レイアウトを調整して、場合によってはデザインもその国にあわせて製本するという作業が必要で、よほどの売れ筋でないと各国翻訳版なんて出せなかったと思う。けれど、アクセシブルな電子教材であれば、場合によっては何もいじらずに、オリジナルの言語のままで流通させても、買ってくれる学校、先生・生徒は出てくると思う。もちろん、翻訳すればなお流通のチャンスは増す。今の iPhone アプリの感覚だ。

アクセシブルであるということはとても大切。単に電子化するだけの意識だと、本のカバーにイメージとして表示されたタイトルすら翻訳できないような状態が続く可能性がある。正しくアクセシブルであれば、再生する機器はそのイメージが何であるかは取得できるから、必要な言語に翻訳可能だ。イメージはその国の言語のままでも、必要な言語で内容を表示したり、発声させたりすることが出来るようになる。アクセシブルであるというのは、マシン(コンピューターなど)からもアクセシブルであることを意味するんだから。

iPad や Kindle がその世界を切り開こうとしている。日本の出版社はいろいろと問題を抱えているようだけど、早く解決してワールドワイドに共通な土台にのっていかないと、わりと早い段階で業界から締め出されてしまわないかと心配している。大学で使う専門書なんかは、(担当教官執筆の教科書でないかぎり) MITなんかで使われる専門書と時間の遅れなく同じものを採用するようにななるんじゃないかな。

もっとも、iPad や Kindle にも、アクセシブルになったコンテンツを十分に生してブラウジングする機能が必要になる。ブラウジングの雰囲気としては、twitter 仲間の r_puputa さんに、こんなのを教えてもらった。



これは、私のイメージするものに近い。メモに関する機能はまさにこんな感じを期待しているし、この延長で翻訳機能も提供してほしいと思ったりする。さらに、ソーシャルネットワークの助けを借りて疑問点を解決したり、理解を深めたり、そんな機能も期待している。

ともかく、日本の教科書会社も世界を睨んで電子教科書のアクセシブル化に取り組んで欲しいし、機器の方も、多くの期待に応えるように進化してほしい。

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