(タイトルが適切でなかったので変更しました。(2011.05.10)
先日、講座「災害情報とアクセシビリティ」の中でバネラーの一人を務めさせていただきました。各パネラーの話は私には参考になるもので、伝える意義もあったと思いますが、全体としてはストーリーが組た立てられておらず、納得できるものではなくかなり落ち込みました。せめて、伝えたかった事を簡単にまとめておきたいと思います。
先日、講座「災害情報とアクセシビリティ」の中でバネラーの一人を務めさせていただきました。各パネラーの話は私には参考になるもので、伝える意義もあったと思いますが、全体としてはストーリーが組た立てられておらず、納得できるものではなくかなり落ち込みました。せめて、伝えたかった事を簡単にまとめておきたいと思います。
バネラーの伊敷さん、平林さんと同意していたのは、伝える側の問題と、受け取る側の問題の二つに分けて話そうということでした。伝える側の問題というのは、アクセシビリティをどうやって確保するかという話、受ける側の問題というのは、情報リテラシーの問題についてです。モデレーターの森田氏は、よって必要となるこれからの仕組みをまとめたいと思われていたはずです。それは、新しいWebシステムの話だけでなく、情報リテラシーをどう向上させていくかというような事も含めた広範なものです。
前者の発信者については、もはやJISは最低限のこととして対応することを求めてみました。それが震災時にも出来るかどうかは普段のサイト作りによること。普段できていないところは震災のときも苦労するだろうという話を事例を挟みつつ話をしたつもりです。ただし、それだけでは駄目で、JISに縛られず、JISはツールとして利用するくらいのつもりでいる必要があるという思いも私にはあるのですが、これについてはあまり話せなかったように思います。(これをアンチJISと表現した方がいますが、私にそういうつもりはまったくありません。)
さて、アクセシビリティを守る事は当然とは言ってみたものの、震災時に発信者がそれを完全に確保することは、震災状況下故に難しいというのも事実です。二つのレベルがあって、代替テキストを付けたり、見出しをちゃんとつける等の余裕がないという低いレベルのものと、図やグラフィック、動画でないと情報提供しにくいものに対しての的確な代替情報を提供することは難しい、という高いレベルのものの二つがあります。
前者については、ボランティアの仕組みを紹介しました。一方で、利用者からしてみると、そういう問題のあるサイトは訪問せず、他のサイトに行くだけであるので、ボランティアは機能しないかもしれないという話をしたと思います。
後者については、htmlやcsvでデータを提供すれば良いという同意が得られつつあるが、それだけでは駄目で、それに加え、伝えたいことそのものを的確に伝える仕組みが必要だという話をしました。その例として、Web APIを提供する例について話をしました。計画停電であれば、今現在の余裕を知りたいかもしれません。APIの提供は重要で、被災地に関する様々なマップがすぐに作られたのも、こうしたAPIレベルでの提供があったからであることも話したかったのですが、これは出来ませんでした。(この話は長坂さんの話を受けてでないと的確に話ができない)
受信者側の情報リテラシーについては、平林さん、伊敷さんがお話くださいましたが、もう少したっぷりとしたかったところです。予定では、Twitterがとても役に立ったことと、一方でデマなど取捨選択する能力が受信者側に求められた事を事例を交えてもっと話し合う予定でした。ネタも沢山用意していたのでまったく残念でした。パネル等ではお持ち帰りできる話題が一つ二つないといけないわけですが、あまり提供できなかったのは残念です。
全体としては、今回、長坂氏の話を受けて議論を進める予定の部分が、パネルが先になってしまった都合上、出来なかったことが議論がふわふわとしたものになってしまった原因の一つかと思います。もう一つ、モデレーターとパネラーで、同意できていた部分と、同意できない部分があったのですが、それは仕方の無いこととして、むしろそれを生かした議論が出来なかったことは極めて残念でした。
パネルおよび長坂氏の講演は録画したもので見られるようです。興味のある方はぜひご覧下さい。特に長坂氏の話はとても貴重です。後半にありますので、ぜひ、ご覧ください。
この中では話されていませんが、私が印象的だったのは、長坂氏の「オープンな仕組みでボランティアの力を借りて被災地・者に関する様々な情報を収集・整理・発信する仕組みは素晴らしいし、それだけでも十分に意味はある。しかし、二次利用が出来ない場合があることに困っている。二次利用ができれば、それを使ってもっといろいろ出来るのに残念だ。自己満足に終わるおそれがある。」という指摘です。二次利用するためには、国際標準にそって作られた仕組みであり、二次利用が許されていることが必要とのことでした。アクセシビリティの活動にも言えるところがあるように思います。
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