2016-03-26

北海道新幹線に思うこと

 1922年設立の発寒小学校は函館本線と道路一つ挟むだけで、学校への行き帰り、たしか教室からも蒸気機関車が走る様子がよく見えた。特にワクワクしたのはC62の二重連だったり、あるいは滅多にないが石炭を*くべる*(もう死語?)時にオレンジ色の炎がぱーっと見えることだ。そんな子どもの頃の夢が新幹線だ。

 「この線路を新幹線が走るんだ!」 子どもだから、来年にはそこに新幹線が走るものだと信じていて、毎年毎年その日を待っていた。小学生の高学年にもなれば、それはずっと将来のことであると思うようになり、発寒から離れては、北海道の力では一生実現しないような気がしていた。それが、あと少しで、とはいえまだ十年以上かかるようだが、札幌まで繋がるのだ。一番列車を見ていて、それまでは元気でいたいと心から思った。

 北海道新幹線への風当たりは強い。案の定、開業9日間の予約率は25%にすぎない。函館市内のホテルの建て増しなどの工事もほとんど計画されていないようだ。それどころか、在来線がどんどん廃線となっている。木古内-江差間が無くなったのはショックだった。松前というところを知っている人は少ないかもしれないが、ここの桜は弘前に負けないくらいすばらしく、そこへの路線も廃止されている。木古内に新幹線が停まるならば、訪れて欲しいのは江差であり松前なのだ。

 活路は皆が探っている。東北と北海道が繋がるメリットは大きい。北海道から見て東北は東京への通過点に過ぎなかったけれど、これからは、観光やビジネスで繋がることが多くなるのではないか。あるいは、江差、奥尻、松前、こうしたところの観光整備も必要だと思う。函館だけに行くならば、木古内駅の意味が薄れる。実は日本海側、江差、寿都、岩内を抜けて余市、小樽と向かうルートは寂しいけれど景観が実に素晴らしい。疲れたら、寿都あたりでお寿司をたべるのも良いと思う。

 道南、けっぱってけれ!

 ところで、東京から新函館まで約4時間。これを聞いて青函連絡船の函館青森間が4時間であったことを思い出した人は、けっこうなお歳ですね。 :-)