うつらうつらとしている時に聞く音は、現実とまったく異なる音に聞こえることがありますよね? 小さな音でも大きく聞こえたり、人の声に聞こえたり、とても純粋な一つの音だけが聞こえてきたり。
先日、面白いと思ったのは、丁度ヘリウムガスを吸った後に話しているような、そんな声の歌声が聞こえてきました。うつらうつらしながら、テレビの中で誰かふざけているんだなと思い何とか目を覚ますと、実際に歌っていたのは本人で、普通の歌声でした。
聴覚は危険センサーとして睡眠中も稼働しています。しかし、記憶まではしていないようです。危ない音だけ反応するというのは面白いですが、いずれにしても、睡眠中に聞こえてきた音の詳細を自分自身で把握することはできません。
しかしながら、目覚める際に聞こえる音については、自身で少しは覚えておくことができます。これはとても面白いと思っていて、できるだけ注意深くそれを記憶するようにしています。多くの場合、全体的に大きく聞こえる、がやがやしている、響いている、小さな一つの音だけが強調されて聞こえてくる、というのが私の場合の印象です。
おそらく、自閉症などにおいての聴覚過敏、不快感などと似た経験をしているのだと思います。日常、あんな音が聞こえてきたらたまらないと思うのです。人の声を聞こうとしても、ワァンワァンきこえてきたり、普通の音がびっくりするくらい大きな音に聞こえたり、全ての音が意味を成さないような状況は誰でも不快でしょうし、不安にさせるでしょう。
発達障害の体験のプログラムはいろいろありますが、寝起きの瞬間は自分自身で体験することのできる貴重なタイミングだと思いますので、特に発達障害関連の研究や療育に携わる方に、うまく活用してもらえればと思うのでした。