2010-04-04

3D映像とアクセシビリティ - Stereoblindness -

先日、川崎のIMAXシアターでアバターを見てきました。実に自然な3D映像で、違和感もほとんどなく、最後の方では3Dで見ていることを忘れているくらいでした。それだけに、3D体験が困難な stereoblindness の方に対するアクセシビリティについて気になりました。任天堂のゲーム機でも3D表示が可能になるようですし、こうした技法は教材にも使われるようになる可能性がありますから、少し注目しておく必要があると思いました。

さっそく調べてみると、実に多くの研究がありました。私も勉強中で細かなことを書く自信が無いので、ぜひ、皆さん自身で stereoblindness をキーワードにして検索してみると良いと思います。accessibility というキーワードも含めても良いと思います。最近の研究ではfMRI を使って、脳科学の観点から根本的な原因の追及に取り組もうとしている人達もいるようです。日本でも産総研が映像酔いなどの観点から研究を進めているようですね。

特に関心があるのは、両眼視が可能でも3D体験を得られない人が結構多いらしいことです。全盲の方の場合はそもそも映像による情報を得ることは困難なので、音声化するなどの代替情報の提供の仕方が良く知られています。しかし、両眼視が可能な人にとっては、音声化は冗長すぎるでしようし、であれば、どんな代替情報の提供が適切なのか、少し議論しておく必要がありそうです。

実際、アバターのエンドロールがとても気になりました。沢山の関係者の名前が出てきますが、たぶん、リーダー的立場の人はほんの少し手前に表示されているようです。(もしかしたら、私の勘違いかもしれません) そうした時、同時に少し文字を太くする等の工夫が加えられていました。別に工夫というわけではなく、単純にそうしただけかもしれませんが、こうした小さなテクニックを理解しておく必要があると思いました。

具体的に問題になりそうな事を少し書いてみます。例えばウェブの操作を仮定すると、「手前のボタンをクリックしてください。」とか、「前方に動いている車をクリックしてください。」というような表現でしょうか。あるいは、少し高度ですが、フォーカス(ピントの合っているところ)を画面中の奥のところにある物から、手前の物に移動するような視覚的効果を提供しようとする場合、stereoblindness の人は、クリエイターの意図を正しく知ることは難しいかもしれません。(アバターの中で、そういうシーンが実際にありました。私はとても面白いと思ったのですが、stereoblindness の人にはつまらないだろうなぁと感じました。)

勉強中故、中途半端な内容でごめんさない。
ともかく、皆さんも、こんな事を考えながら3D体験をしてみるのは悪くはないと思います。


ところで、私は見終わったあと、距離感がうまくとれない感覚がしばらく続き、1〜2時間くらいは、ふらつきながら歩いてしまいました。これは、映画の中の縮尺と現実の縮尺が異なるのが理由ではないかと想像していますが、本当の理由は良くわかりません。車など運転される方は、少し注意が必要かもしれません。でも、きっと、何度か映画を見れば、慣れてしまうような気はします。

もう一つ、お恥ずかしい話ですが、崖っぷちに立たされているような場面では交感神経が刺激されるのか、とてもトイレに行きたくなりました。実際、上映中にトイレに行くお客さんがとても多いように思いました。(長い映画だったからかもしれません) こんな事を書くと気にする人がいるかもしれないので躊躇したのですが、こういうケースの場合、映画が終わるとトイレに行きたい気持ちも元に戻るようです。つまり、我慢可能なタイプのものだと思って良いのではないでしょうか。

2010-03-06

まりもっこりと母の声

まぁ、ばかなビデオです。こんなのアップしてごめんなさい。妻が写真を撮るつもりで、間違えてビデオ撮影したものですが、母の声が入っていて、なんとなく捨てられなくなりました。修学旅行生の視線はちょっと辛かったかな。後ろで流れている「まりもっこり」の歌が良い照れ隠しになっていたかもしれません。

昨年12月のブログに書きましたが、このビデオは、妻、母と小樽に遊びに行った時のものです。いつもはお正月に帰省していますが、昨年末は仕事の関係で12月の初めに少しだけ帰省しました。まだ食材なんかも安い時期ですから海産物など大いに愉しむことが出来ました。大通公園のライトアップも人が少なくて良かったですよ。来年もそうしたいな。

その代わり、大晦日には帰りませんでした。紅白を見ながら母に電話したとき、母の様子はやっぱり寂しそうでした。なんとなく胸が締め付けられました。せめてもと思い何度か電話とメールをし、このビデオの一部も写真にして送っておきました。きっと、それなりに思い出になってくれたと思います。

そういえば、うちには、もう、35年以上前の父の声が入ったテープがあります。とっくに他界している父のその貴重な声は、ほとんど父の記憶の無い弟にはとても大切なものです。もっとも、私も、だんだんと忘れているような気がします。だから、この母の声は捨てられないのです。

(他人様がご覧になっていただくようなビデオではございません・・・)
(iPhoneからはうまく再生できません。どなたか、原因の分かるからがいらっしゃいましたら教えてください。)






link

2010-02-21

ユニバーサルデザインのちから

関根さんには、いつも献本をしていただいている。なのに、一度もちゃんとしたお礼をしたことがなく、とても気にしている。お礼は、ちゃんとした感想を添えてと決めているのだが、読書感想文には泣かされた方なので、なかなか書けない。というような言い訳はこれくらいにして、書ける範囲で感想など書かせていただきます。

ユニバーサルデザインのちから / 関根千佳

前半は関根さんならではの、ストーリー仕立てでユニバーサルデザインを説明していくもの。後半は、ご自身の思いも添えて、さらに深く説明していく。前半の物語部分で登場するのは、新人社員の柚衣(ゆい)さん。柚衣さんは、会社や社会でのいろいろな出来ごとから、ユニバーサルデザインに気づき、考え、大切さを学んでいく。サブタイトルに「社会人のためのUD入門」とあるように、社会の中で何らかの活動をしている全ての人たちに、ユニバーサルデザインを知ってほしいと願って書いた本なんだと思う。とても易しく、一つ一つ事例を紹介しながら説明している。ところどころに挟んでいる解説もわかりやすい。きっと、読んだ人は誰でも、ユニバーサルデザインについて、新人さんのような気持ちで取り組んでみたくなるはずだ。

後半はユニバーサルデザインの入門書として、知っておくべき考え方、キーワード、人々とその活動、標準、法律などがまとめられている。私自身、知らないキーワードがいくつもあって、とても勉強になった。たぶん、何かの論文など書くときは再び参照させていただくと思います。(助かります。)


関根さんには、本の中で紹介されているSNSセンターや、それ以前の社内での同好会でずいぶんお世話になった。関根さんが会社を辞める少し前くらいから、ユニバーサルデザインについても何度か議論をした。「ユニバーサルデザインなんて不可能だ。」「アクセシビリティには役に立たない。」というような意見もその頃にはあって、「そんなことは無いよね」というような話で盛り上がったのを覚えている。もう、その頃には、関根さんのユニバーサルデザインに対する基礎は固まっていたんだと思う。

京都だったと思うけど、UDITという会社名を考えていると初めて聞いた時、すぐに "You, Do IT" なんだと思った。(ジャニーズみたい) この本を読んだ人にも、そう問いかけているような気がする。



小樽にて 
Posted by Picasa